きとろの徒然日記

観たお芝居、旅行のことと食べたこと

観劇まとめ2022

今更?と思われるかもしれないし本人も今更?と思っているけれど、手書きでつけている観劇日記を見返していたのでこちらでも書いておこう。

 

2022年に観たお芝居は11本(内1本は複数観劇した)で配信は2回でした。

すごく引き込まれたのもあれば、not for meだったものも結構あってまだまだ自分好みのものを見つける目が養えていないと実感。

2019年のコロナ流行当初に中止が続いてしまってすっかり足が遠のいたこともあり、年々観劇数が減っちゃったな。

でもチケット代が高くなったから観てないのに減るお金は変わらないのが悲しい。

 

では、短いながらにそれぞれの感想を。観劇後に脳直で書いたため感想とも呼べない乱雑さですがご容赦ください。(以下、あらすじはすべて引用。ネタバレを含みます)

 

4月

・こどもの一生

・ENDLESS SHOCK(配信)

・ENDLESS SHOCK ~Eternal~

6月

・てなもんや三文オペラ

8月

・VAMP SHOW

9月

・ドロシー

・夏の夜の夢(夏組)

・夏の夜の夢(夢組)

11月

オペラ座の怪人

・薔薇とサムライ

・歌妖曲~中川大志丞変化~

守銭奴 ザ・マネークレイジー

・ショー・マスト・ゴー・オン

・ショー・マスト・ゴー・オン(配信)

 

4月

 

・こどもの一生@東京芸術劇場プレイハウス(E列)

あらすじ:瀬戸内海の小島をレジャーランドにするためヘリを飛ばし下見に来た男二人は、セラピー施設に治療のための称して入院し、一週間を過ごすことになった。しかしすでにそこには女二人、男一人の患者-クライアントがいた。五人は投薬と催眠術を使った治療で、こども時代へと意識は遡る。

 

古田新太さんが昔出ていらっしゃったことと、今井朋彦さんのファンなのでこれは観なければとチケットをGET!

ちなみに原作は未読です。

 この劇場は観やすくて音も良く大好きなのだけれど、F列からしか傾斜がないのでもし座高のある方が前に来たら見えない可能性があるなと思っていた。でも誰もいらっしゃらなかったので見えやすかった。

ただ、両端にせり出す形でセットが組まれていたので首は痛かったな…でも役者さんの声がよく響くいい劇場だった。

 劇中にダンサーの方が何人もいらっしゃって観客の視線を強調させたい場所へ向ける役割をしていたのが印象的。怖くて面白い。物語に余白があって、ラストシーンは何通りもの解釈ができる演出になっていた。

こどもの残酷さ、無邪気さが根幹にあって、社会性を身に着けてしまったおとなとの対比が愉快であり、滑稽でもあり…

 ここからは物語の中身の話ですが……結局"柿沼しのぶ"は三友を殺してはない?

風呂に沈められたとは誰も言っていないのに柿沼が言ったことから意識下に殺し(半殺し)にしたのは柿沼。

だけど殺したのは"柿沼しのぶ"ではなく、裏人格である"柿沼てつぞう"では。

山田のおじさんを消すときには主人格である"しのぶ"から"てつぞう"へと変わっていたけれど醒めた時には"しのぶ"なので覚えていない。まして"しのぶ"はもう一人の人格がどんなものか知らない、もしくは自分にもう一つの人格があるなんて知らなかったから。

 主演の方は当初務められる方と変更されたようだったけれどとても似合っていたと思う。

パンフレットにはこの作品は今回が最後かもと書いてあったけれどまた役者さんが違うパターンでも観てみたいと思うような作品だった。

 

・ENDLESS SHOCK & ENDLESS SHOCK ~eternal~@帝国劇場(I列)

あらすじ:コウイチはニューヨークのブロードウェイでエンターテイナーとしての頂点を目指し、日々自分のパフォーマンスを磨き続けている。彼が中心となって構成されているカンパニーは小さな劇場でのショーから着々と人気を集めていく。ある日、コウイチのショーを高く評価する記事が新聞の一面に掲載され、オーナーのもとに大劇場から公演してほしいというオファーが届く。

 

→初めての帝国劇場。椅子がふかふかしていて腰に負担のない椅子でとてもよかった。

関西出身だったので毎年フライングの映像だけはテレビで見ていて、履修しとくかと思ってチケットを購入後に先に配信(eternal)を視聴。

正直視聴後に、選択を誤った…?と思うほど好みではなかったので観劇はひやひやしてしまった。拒絶するほどだめというわけではないけど、また観たいとは今回思わなかった。まぁ「あたし、〇〇に着いていく!」っていう添え物女性像に辟易したっていうとところもある……でもこれは制作元を考えたらそうなる可能性があるってことを考慮しなかったこちらが悪いですね。

演出の迫力と例のフライングに主演の芝居の圧でまとまっている印象があって、どうやらこのお芝居は毎年主演のライバル役が変わっていくようだけれど、ライバル役によってもかなり印象が変わってきそうだと思った。

殺陣が印象に残っていて主演の高くも低くもない声の主演がドスの効いた声で叫んだところは痺れた。場数を踏んでいないと出せない圧だったと思う。

もしかしたらショーの側面が強くて物語としての多少の粗はそれほど重要視されていないのかも。

あくまでもnot for me。誰かのファンだったら違ったのかもしれないけれど。

観劇中にお上手な方だなと思った方がいらっしゃったので(原さん?)またいずれその方が出演されるのであれば別の舞台を観劇したいな。

 

6月

・てなもんや三文オペラPARCO劇場(F列)

あらすじ:1956年(昭和31年)、秋、早朝。猫間川沿いの川岸には、トタン屋根のバラックが肩寄せあっている。
その目と鼻の先、川向うに、「大阪砲兵工廠」跡地が見える。かつて、そこはアジア最大の軍事工場だったが、アメリカ軍の空爆で、廃墟と化した。数年前に勃発した朝鮮戦争の「朝鮮特需」で、鉄の値段がはねあがると、「大阪砲兵工廠」跡地に眠る莫大な屑鉄をねらって、有象無象の人々がつぎつぎと集まってきた。彼らは、いくら危険だろうが、いくら立ち入り禁止の国家財産だろうが、おかまいなし。目の前のお宝を、指をくわえて見ている阿呆はいない。夜な夜な、猫間川を越え、環状線の鉄橋を越え、時に、弁天橋の警備員詰所を正面突破して、屑鉄を掘り起こした。そんな彼らを、世間の人たちは「アパッチ族」と呼び、彼らの住む場所を「アパッチ部落」と呼んだ―――
アパッチ族」の親分・マック(生田斗真)は、屑鉄のみならず、さまざまなものを盗んで盗賊団を組織していた。恋人のポール(ウエンツ瑛士)との結婚式を挙げるマックのことを、うとましく思う「乞食の友商事」の社長ピーチャム(渡辺いっけい)と妻のシーリア(根岸季衣)は、警察署長タイガー・ブラウン(福田転球)を脅し、なんとかマックを逮捕させようとするが・・・・・・。マックの昔なじみの娼婦ジェニー(福井晶一)と、ブラウンの娘ルーシー(平田敦子)をも巻き込み、事態は思わぬ方向へとすすむ・・・・・・。

 

→初のPARCO劇場ですが、最後列がT列で2階はないということもありこじんまりとしていてとても観やすかった。

 数年前に観劇して総じてよかった印象のある「泣くロミオと怒るジュリエット」の脚本演出×偽義経冥界唄の生田斗真さんということもあってチケットを購入。

想像以上にライトな話で怒涛の勢いで物語が進んでいったのと主となる二人が関西出身でないのに関西弁を話させている違和感に終始首を傾げてしまったのだけれど、関西以外の方からすればなんの違和感もないものなのだろうか?

 ワガママで向かってくる死に対して抗いまくっていた主人公が、誰かの「ただいま」を殺してしまったことを思い出して生きたいと思いながらも自分の絞首刑も受け入れるというあっさりさが呆気なく、もの悲しい。

生きたいという気持ちで生き抜いた戦争時代が過ぎて、自由奔放に暮らせるようになったけれど、人を殺したという影はいつまで経っても付きまとって、ついにその影に飲み込まれてもそれは仕方ないと思ってしまうのがやるせなかった。

 あと、この演出の方って東京で上演されようと果敢に吉本新喜劇のネタを放り込むので東京の会場で観劇すると関西人が炙り出されてしまう…泣くロミオの時も最後列で笑っている自分声が響いてしまって…恥ずかしい!

 

8月

・VAMP SHOW@PARCO劇場(E列)

あらすじ:山間の寂れた駅で、5人の青年がある女性と出会うことで始まる物語。
明るく楽しい旅行者の青年たちは実は吸血鬼で・・・。

 

→平日の夜だったからか客入りは7~8割というところだっただろうか。

もう同じメンバーでは再演できない豪華な俳優陣で上演された時から21年。

今回演出された方は21年前出演されていた方!(河原雅彦さん)でとても楽しみにしていた。

変わらず話は面白くて切ない。友達が好きだから故に吸血鬼のフリをして友達の吸血鬼一行に同行する人間と、その輪に入り込んでしまった人殺し。人殺しに振り回されて好きな友達を仕方なく殺していった人間が辿る末路は。

熱演だったとは思うけれど出演される方があまり舞台主体の方々ではないのか声が通っていなかったように思う。印象として全体的に間がなくて台詞を読んでいると思ったのだけれどこれは開幕して2日目だっというところもあるのだろうな。それが狙いだったのだったらいいのだけれどカオリだけがキャラ立ってた気がする。

最初に観たものを超えるというのは中々難しいのかもしれないな。

 

9月

・ドロシー@草月ホール(F列)

あらすじ:オズの魔法使いの登場人物の名で呼び合う、お互いの素性をしらない4人の強盗。自らをオズと呼ぶ謎の男のプランにのっかり、見事銀行を襲い現金を手に入れた。仕事を終え、アジトである廃墟となった遊園地の機械室に戻ってくる。
4人は現金を前に、お互いの『夢』の話へ---
はじめは互いの素性を楽しく語り合う4人だったが、次々に予想外の出来事が彼らを襲う。このミッションに隠された、本当の意味は?オズの正体は?ドロシー達は、『夢』を実現させることはできるのか!?

 

→2022年のベストでは!?

 初めて行った草月ホールですが、座席位置高いね!?女性だと足がつかない方も多いのでは…

 謎解き、人間関係と明かされる真実の組み合わせが巧妙で常にハラハラドキドキさせられる展開。しばらく経ってからなるほどね!と理解できるところもお上手だった。

 物語の中で物語が展開されていく。最初は自分の保身のために職務を放棄した刑事を捕まえるために演じたオズの魔法使いを準えた物語だったけれど、本来の目的は主人公の"ドロシー"ことアオタユウトという男性をおびき寄せるための罠で…?

ドロシーであるアオタユウトの中には本当に人殺しのドロシーがいる。養護施設で育った彼は今まで幾人もの人を殺していた。おもちゃの心臓を撃てばドロシーは死ぬっていう正に物語的なストーリーだけれど、現実的に考えればおもちゃの心臓を撃ったところで人格であるドロシーが死ぬはずもなく。

安西慎太郎さん始め役者の皆さんが役割を演じることがお上手で騙されて騙されて素直に拍手ができる素敵な舞台。

キャッチコピー通り、「その唇に騙されるな!」

 2022年はドラマでも舞台でも解離性障害のお話が多いような気がした。使いやすいのはわかるけれど。

次回作お待ちしています。

 

・夏の夜の夢(夏組)@日生劇場GC席A列)

あらすじ:年頃の娘ハーミア(生駒里奈)は青年ライサンダー(髙地優吾)と恋仲。だが彼女の父はディミートリアス元木聖也)という男に娘をやりたいと思っていた。ある日侯爵テーセウス(中村芝翫)から、父の命に従わないのであれば、死刑か生涯修道院で過ごすことになると言い渡されたハーミアは、ライサンダーと駆け落ちすることにする。ハーミアに恋するディミートリアスは森へと向かい、彼に片思いするヘレナ(堺小春)もその後を追う。

 一方森では、妖精の王オーベロン(中村芝翫)と女王ティターニア(南果歩)がお気に入りの小姓をめぐって仲違いをしていた。機嫌を損ねたオーベロンは要請に、目覚めて最初に目にしたものに恋してしまう「恋の三色すみれ」の花の汁を取りに行かせ、それを塗られたティターニアは職人のニック・ボトム(宇梶剛士)に惚れ込んでしまう。

妻にいたずらをする傍ら、オーベロンはディミートリアスとヘレナを見かけ、無碍にされるヘレナを哀れに思い、花の汁を使うようパックに命じる、しかしパックはディミートリアスではなくライサンダーの目に花の汁を塗ってしまい、目覚めたライサンダーはヘレナに愛を誓い始める。パックの間違いに気づいたオーベロンがディミートリアスに花の汁を塗ったため、二人がヘレナを取り合って大混乱に……一体どうなる!?

 

堺小春さんがヘレナ!?それは行かなければ!というわけで様々な層のファンの方が入り混じる日生劇場へ。

実は先に自分で買っていたチケットの日が中止になり、お譲りいただいたもの。本来は上手側のサブセンターだったのだけれど、お譲りいただいたのは下手サイドでした。

カード先行でパンフレット付きだったので中止は悲しかったのですが、小春さんのヘレナを絶対に観たかったので諦めきれなかった…!

そして記念すべき初めてのシェイクスピア作品の観劇でもある。原作は既読です。

GC席ってすごく素敵な席ですね。中2階とでもいうのでしょうか。ちょうど役者の目線の先にある2列しかない席で、すごく物語に集中できる。

 この夏の夜の夢はパックの夢だったのかな。パックの最初の登場が車いすで最後は倒れながらの口上。またこのパックの子役の方(加藤岳さん)がお上手なものだから惹き込まれてしまった。

若者4人は丁々発止にまくし立てて小気味良く、やっぱり小春さんの長台詞は人の心に訴えかけるものがある。くどくなくて妙な節もない、ただただディミートリアスに恋をする美しいヘレナがそこにいた。

 

・夏の夜の夢(夢組)(GC席A列)

→良かったのでもう一度。

当日券チャレンジをしたのだけれど、これが厄介なシステムで、前日の12時に買えるのはあくまで「抽選券」。(そしてCNプレイガイドなのでコツがいる)

これをコンビニで発券して当日会場開演20分前に抽選をし、当選すればそのままチケットを買えるというもの。

ところが私ときたら丸の内線で東京方面に行かなければならないのにうっかり荻窪方面に乗ってしまい、中野坂上で気づく始末。もう絶対間に合わないと思っていたのですが、こちらのサイト日生劇場のアクセス|最寄り駅から徒歩何分何秒?出口は? (1rankup.jp)

を参考に爆走してなんとか2分前に間に合いました…

主催は松竹なのだけれど、このやり方だと近くに住んでいる人間しか怖くてチャレンジできないのでは?特にこの演目は日生劇場でしか上演しなくて、面白くても地方から賭けをしに来る人間はいないと思うのだけれども。どう思う?松竹?転売対策なんだろうけど…

転売対策及びチケット代については別に書きたいな。

 若者4人の掛け合いがパワーアップしていて小ネタも増えていたように思う。ビンタ、突き飛ばし、足をひっかけて転ばす。これは大変だろうな…笑

何度観ても小春さんが演じられるハーミアがいじらしく、声もよく通っていて素晴らしかった。この夏の夜の夢は訳者の方のこだわりで韻を踏んでいる台詞が多いので冗長といえば冗長かもしれない。(上演時間は休憩込みで3時間10分)

夏組、夢組というのはパックとティターニアお付きの妖精たちがWキャストだったのでせっかくならと今回は夢組を鑑賞。どちらもお上手だったけれども、夏組が全員芸達者だったのに比べて夢組はこれが初舞台という方が多かったこともあり夏組のほうが動きがスマートに見えた。

最初に踏切の音と子どもたちの声がする。最後パックが倒れた後には救急車と赤ちゃんの声。保育園の散歩中に踏切事故に遭ってしまい小児病棟に運び込まれた子どもが見た夢というなんだか嫌なストーリーが頭に浮かんでしまった。

夏の夜の夢は様々な劇団が上演しているのでまた別の夏の夜の夢を観てみたい。

 

11月

オペラ座の怪人@大阪四季劇場(M列)

1905年、パリ・オペラ座の舞台上。オペラハウスの所有物がオークションにかけられている。
車椅子の老人はその中の一つ、オルゴールに手を止める――。

さかのぼること半世紀、オペラ座の舞台では、オペラ『ハンニバル』のリハーサル中。
しかし華麗な舞台の外では"オペラ座の怪人"の仕業とされる謎めいた事件が続発していた。策を講じない支配人に腹を立てたプリマドンナのカルロッタは、オペラに出演しないと言い出す。

→「劇団四季オペラ座の怪人は凄いらしい」そんな看板を見たことはあったものの中々足が向かなかった。けれど偶然関西に行く機会があったのでこれはチャンスと前日にチケットをゲット。

さすがとしか言えない歌の上手さにあっという間に惹きこまれて素晴らしい体験となった。のだけれど…!怪人にすっかり感情移入してしまった私は終演後も怪人が可哀そうだとぶつぶつ言いながら帰ることになるのでした。

 

・薔薇とサムライ@新橋演舞場(19列)

17世紀初め。
女海賊アンヌ・デ・アルワイダ(天海祐希)が天下の大泥棒石川五右衛門古田新太)の協力を得てコルドニア王国の混乱を収め、国王となってから10数年が過ぎようとしていた。

南の島、デルソル島。
科学者ケッペル・レンテス(粟根まこと)がとある研究に勤しんでいると、島を欧州の兵が襲撃。島民を奴隷として捕まえていく。が、そこに現れた五右衛門のおかげで兵士達を撃退する。
彼らがコルドニア王国の兵士だと気づく五右衛門。平和主義だったアンヌがなぜ? 訝しんだ五右衛門は彼女の真意を確かめるため、ケッペルと共にコルドニアに向かう。

その頃、コルドニアには新たな危機が訪れようとしていた。

周辺諸国の征圧を狙うソルバニアノッソ王国の女王マリア・グランデ(高田聖子)が、隣国ボスコーニュ公国を併合しようとしていた。
その調印式に招待されたアンヌは、才覚を見込んで供にしているイクシタニア王国の王女ロザリオ・イクシタニア(石田二コル)とともに、ソルバニアノッソの宮殿に赴く。
調印式の祝賀会には、ボスコーニュ公国の国王シャルル一世の弟、ラウル・ド・ボスコーニュ(神尾楓珠)がいた。シャルル一世が海難事故で生死不明の今、彼がボスコーニュの代表だった。将軍の寝返りにあい、国民を守るためには不利な条件の併合を受け入れるしかなかったのだ。
その席で、自分に従うようアンヌを脅すマリア。彼女の狙いはイクシタニアとコルドニアだ。だがアンヌは、コルドニアとその友人たちの自由が脅かされれば立ち向かうと宣言する。

アンヌと行き違いにコルドニアに着いた五右衛門は、そこでボルマン・ロードス宰相(生瀬勝久)と出会う。今でこそ一国の宰相となっているボルマンだったが、かつては五右衛門と同業だった。たぐいまれなる料理の腕で貴族に取り入り油断させ、その家の宝を根こそぎ奪う。“舌の魔術師”と呼ばれる泥棒だったのだ。ボルマンの野望に気づく五右衛門だったが、彼の策にはまり、身動きを封じられてしまう。

外にマリア、内にボルマン。二つの脅威に挟まれるアンヌと五右衛門。
親友エリザベッタ(森奈みはる)とその息子ベルナルド(西垣匠)やマリアの息子マクシミリアン・ド・ラブズブール(早乙女友貴)も巻き込み、事態は風雲急を告げる。
そしてコルドニアに魔の手が迫る中、アンヌにも予想外の事態が!
果たしてアンヌは己の誇りにかけて、国と民を護れるか――!?

→こ~れは天海祐希ファンたまらんでしょ…!

先行をすべて見逃してやっぱり行くかと。初めての新橋演舞場でこれも直前リセールで取ったチケットだったから観えないかと思ったけど前の人が来なかったのでなんとか観れた。歌舞伎をやるような場所で1階というのは傾斜がないので見えるか見えないかは前の人間次第みたいなところがある。

劇団☆新感線らしさと天海祐希さんの華が爆発する中、途中贔屓の方からと思われる嬌声に似た息を呑むような悲鳴が聞こえてきてニヤニヤしてしまった。そりゃね、あの姿の天海祐希さんがまた観れるなんて思わないよね。

 

・歌妖曲~中川大志丞変化~@明治座(6列)

昭和40年代の歌謡界に彗星のごとく登場し、瞬く間にスターダムに駆け上がった桜木輝彦(中川大志)。
そのベールに包まれた経歴の裏側には、戦後の芸能界に君臨する「鳴尾一族」の存在があった。

元映画スターの鳴尾勲(池田成志)が手掛ける、愛娘の一条あやめ(中村 中)と愛息の鳴尾利生(福本雄樹)は、スター街道を邁進中。
フィクサー・大松盛男(山内圭哉)が控え、今や世間からは、大手芸能プロダクションと謳われていた。

だが、そんな鳴尾一族にあって、存在を闇に葬られた末っ子がいた。
ねじ曲がった四肢と醜く引きつった顔を持つ、鳴尾定(中川大志)。

一族の汚れとして影の中で生き長らえてきた定は、闇医者の施術により絶世の美男子・桜木輝彦に変身を遂げ、
裏社会でのし上がろうとするチンピラ・徳田誠二(浅利陽介)と手を組み、同じく鳴尾家に怨恨を抱くレコード会社の
女社長・蘭丸杏(松井玲奈)と政略結婚し、自身の一族に対する愛の報復を始める。

その血に……運命に……復讐を遂げるべく、桜木輝彦による唄と殺しの華麗なるショーが幕を開ける───。

 

中川大志さん始め役者陣は素晴らしかった…!なのに脚本と演出があまり…

設定がよく観客に伝えられないまま過去と現実を行き来するので今が現在なのか過去なのかの把握に時間がかかってしまう。主人公が手術によって見目麗しい男性になるのだけれどなぜかそれが戻ったりする。なんでや。

公演が始まってから指摘されていたようだけれどペンライトを使うなら使いどころが曖昧なのもどうかと思いましたね…

どセンター席だったのだけれど、散った紙吹雪の片づけをしているスタッフの方が見切れるのも気になった。

でも本当にこれが初舞台という中川大志さんは素晴らしかったです。歌もお芝居もとてもよかった。

 

守銭奴 ザ・マネークレイジー東京芸術劇場プレイハウス(D列)

極度の倹約家であるアルパゴンは、召使いを始め、息子と娘にまでそれを強要し、家族の我慢も限界に達している。そんなある日、アルパゴンは再婚をしたいと申し出る。その相手は、実の息子が恋した相手と同じだった。けちんぼ親父とその息子と娘、それぞれの恋人たちとの七転八倒のやり取りの最中で、思いがけず秘密が明らかになる。

→すみません、特筆するところがなく…休日の昼だったはずなのですが埋まり具合は半分ほど…演出は海外の方だったんだけれど、やはり肌に合うかどうかという問題は出てきてしまう。日本の演出家の方だって合う合わないあるだろ!という声もあるとは思いますが私にはよく分かりませんでした。

 

・ショー・マスト・ゴー・オン@世田谷パブリックシアター(2階A列)(配信×1)

→初めての世田谷パブリックシアターの2階だったけれども観やすかった。3階を見てみるとバーカウンターの椅子のようだったのでちょっと3階だと腰が終わってしまったかもしれないな…

観劇前にチカチカと劇場内の照明が点滅し、始まる合図か!と観客が静まり返る中いつまでも開かぬ幕。5分以上経過したあたりで舞台監督の方が登場され、どうやら劇場周辺の一時的な停電の模様。なんだ~とふわふわと笑う観客が各々お手洗い等に立つ中、演出の三谷さんが出てこられ、拍手喝采。それではショーマストゴーオン始まります!の言葉で観客は大盛り上がり!!

代役に代役を重ねてこられた三谷さん。達者でいらっしゃるなぁと嬉しくもなりました。

マクベスという芝居をどんなトラブルがあっても幕を下ろすことなく遂行する舞台監督に襲いくるトラブルと癖のある登場人物たち。そんな…!と思わず唖然としてしまうような驚きの後破裂するように起こる観客席からの笑いは2022年を締めくくるにふさわしかったと思う。

私は物語をみる中で、喜劇性と余白、一貫性に重きを置いていているので、このショー・マスト・ゴー・オンというお話の登場人物を含め全てを抱きしめたくなるような温かい気持ちで家に帰ることができました。

 

以上です!