きとろの徒然日記

観たお芝居、旅行のことと食べたこと

観劇まとめ2023

今年から、今年からは観たらすぐに書くようにしよう……

 

2023年の観劇総数は15回、作品数だと13作品でした。

今回はあらすじを省いて感想のみ雑多に書いていきます。

ネタバレや辛口等含みますがあくまでも感想ですのでご了承ください。

 

 

 

2月

ハリーポッターと呪いの子@赤坂ACTシアター

ハリーポッターが日本で発売された時にはそれは夢中で読んだものですが、5巻までがピークでそこから主要人物がバタバタ死んでいくので辛くなり正直最終巻は斜め読みしてしまった記憶…実家にはあるんですけど、どうも読み返す気にはなれない作品の一つです。

ですが、評判が良かったこととACTシアターを専用劇場にするくらいなのだからホリプロもかなり気合が入っているのだろうと思いチケットを購入。

購入したのは9と3/4線チケットという一番高いチケット。

ホグワーツへと旅立つホームの名前を冠してるんですね。

ACT自体がいい劇場なのは知っていますが、どうせ観るなら一番いい席をと思いまして買ったものの、さすがに20,000円は高い……!

でもその分、前が通路の良席で、パンフレットがついていたり、他の方より早く入場できたりという特典もあってので中々良い経験ができました。(ここに次点の席との差額5,000円(当時)の価値を見出すかは人それぞれだと思いますが)

 

そしてなによりもデザインチケット!

私はデザインチケットが大好きで黒い厚手の紙に金の箔押しをされたチケットを受け取った時には胸が高鳴りました笑

デザインチケットの話についてはまた別に書きたいと思います。

 

で、肝心の本編の話ですが、物語はハリーたちがヴォルデモートを倒して19年後、彼らの子どもたちが主人公の物語。

フルオーディションとは聞いていましたがさすが皆さん非常に演技がうまく、演じている本人が透けて見えるようなことはありませんでした。

魔法の数々と奥行きのある舞台を使った仕掛けの数々は集中力を途切れさせることなく物語へ惹き込ませる力がありました。そりゃ海外でロングランすることも納得。

私が観劇した際のアルバス(ハリーの息子)は福山康平さん、門田宗大さんでしたが、福山さんはアルバスの心の中にある鬱屈した思いを表出し、そしてわだかまりが徐々に絡まった毛糸が解けていくように見せる様が圧巻で、門田さんはスコーピウスが今まで周囲から受けてきた仕打ちに対する諦観の念や心の奥底の純粋さひた向きさを放つ様がとても美しかったです。

 

ところで、主役のアルバスとスコーピウスを演じる方を他の媒体であまり見聞きしないような気がしますね。ハリー役の方は発表されるときも一大イベントといった感じでしたが…

最初は少なからず思っている方もいらっしゃるだろう、ACTを返せ!という気持ちが私の中にもありましたが、これは違ったキャストでもまた観たいという気持ちになりました。ロングランできるかどうかは最近の客入りの雰囲気をみるにちょっと怪しい気もしますが続いてほしいなぁ。

4月

ウーマンリブVol.15「もうがまんできない」@本多劇場

 うっかり初日を取ってしまったようで、当日券を求める列を横目に入場しました。本多劇場は傾斜がしっかりついているので観やすかったです。

前回本多劇場に来たのはナイロン100℃の「消失」以来なので、は、8年ぶり!?気が遠くなってしまう……

 

大人計画といえば、下ネタと笑いの中に突き刺す毒というイメージですが今回も遺憾なく発揮されていたように思います。

最初のどうしようもない下ネタに一瞬立って帰ろうかしらと思ったもののそれ乗り越えてしまえば笑いが止まらず、主役の阿部サダヲさんを始め芸達者な方々が入れ代わり立ち代わりやってくるので休む暇がない!

乗り越えれば、と書きましたが本当は乗り越えるべきではないんですよね表の世界では。倫理観、道徳的に、社会一般的なんて丸め込んだ言葉を基準に考えるとめちゃくちゃ最悪で最低なお話です。でもこれは現実にもきっとある話で、それをなんの衒いもなく笑っていいのが演劇なのかもしれないと思ってしまいました。

コンプラばかりが叫ばれて修正訂正規制される世界でこっそりやっている飲み屋みたい。

本当に宮藤官九郎さんは何となくダメとされている感覚やルッキズムをいじらせるとめちゃくちゃ輝きますね。

「バカと〇〇〇〇に優しい。それが福祉国家日本!」

誰が考えつくんだこんな言葉。

 

幾つの大罪~How many sins are there?@EX THEATER ROPPONGI

一体どこにあるのかとうろうろしましたが、なんとか到着。

奥行きがあって観やすい劇場ですが、この椅子の硬さはどうした!?というくらい椅子が硬かったです。何度か座りなおしていた方もちらほら……

内容としては夢落ちの夢落ちということなんだろうか。

7つの大罪に準えた登場人物その中でも自らの存在は憤怒である、人間の中には必ず憤怒があるというお話…?

臨床心理士が殺人鬼の思想に迫って解離を一つにする、という設定にした臨床心理士の話であり、ラスト3分以外は全て虚構の話だったんだと思いましたが難しかった!笑

しかしまた解離性障害の話でしたね。

5月

第25回 東京03単独公演「寄り添って割食って」@日本青年会館ホール

鬱々としたニュースが続く中、笑えるものが観たい!となりチケットをGET。

久々に大笑いできて本当に満足でした。

お三方とも物凄い演技力が高く(ドラマやCMにも出演されている)数分のコントの世界にスッと入っていけてまた次、次…と飛び出す絵本のようなワクワクが終演まで続きました。

また構成がおしゃれなんですよね。

次回もぜひ参戦したいです。

個人的には社交辞令の話が1番好きでした!

 

BACKBEAT@東京建物 Brillia HALL

本当に自分が100%悪いのですが、初演の評判が良かったことと加藤和樹さんが出演されるという二点だけでチケットを取りました。しかし、私はBeatlesをほとんど知らずに観劇に出掛けまして(Let it beはかろうじてサビがわかる程度)

芝居+ショーという構成で、Beatlesファンと思われる方がノリノリになっている中ぼんやりと話を追うことになりました。加藤和樹さんの歌声は最高でした。

何度も言いますが私が悪いです。予習すれば絶対に楽しかったはず…!

きっとBeatlesがお好きな方には刺さるお話と内容だったと思います。

戸塚祥太さんはなんでもな平凡の皮を被った役がお上手な方なんだろうなぁと思いました。(今度は愛妻家観たかった…!)

6月

星降る夜に出掛けよう@南座

not for meでした…

原作からあまり好みではないとは思っていましたが星の王子さまが好きなことと夏の夜の夢で堺小春さんと共演されていた方がお上手だな〜と思っていたので購入したものの星の王子さまに対する期待値が大きすぎたのかあまり私には刺さりませんでした。

3作+歌謡ショーのような流れだったんですけど、何が言いたいのか何を伝えたいのか演出でもよく伝わらず……

あと2階左側2列という何故これが他の席と値段が同じなのか?という席だったことも原因かもしれません。下手に立たれると全く見えなかったので……歌舞伎用に作られた劇場って結構観えない場所が多いと思うんですけど、皆さんどうされているのでしょうか。諦める?

7月

兎、波を走る@東京芸術劇場プレイハウス

初めての野田地図でした。

社会派ということで実際あったことがモチーフなのだろうとは思っていましたが割と早い段階でこれが北朝鮮拉致事件の話であり、登場するアリスが被害者の方、白兎は工作員だということに気づいてからは全く笑えなくなり、さっきまで抱きしめいたはずのアリスが母の腕から消えた時には堪らない気持ちで下を向いてしまうくらい辛かった…

終演後、同行者が、ちょうど彼女と年齢が変わらないから、観劇していて辛くなってしまったと呟いたのが刺さっています。実際に被害に遭われた人がいる、しかも終わってもいない話をエンターテインメントにすることの是非については様々な意見があると思います。

「忘れないために、人の記憶に残すために」

聞こえはいいけれど、商業としてそれを成立させることについては本当に考えなければいけないことだなとそういう声があがるのも仕方ないのではないでしょうか……

 

家に帰る電車に揺られながら、仕事で北陸に赴任した時、地元の方に「絶対に一人で海辺に行くな」と言われたことを思い出しました。

 

ムーラン・ルージュ!@帝国劇場

値段設定に界隈がざわついたことは記憶に新しいですが、一面赤に染まった帝国劇場とキャストに合ったオーダーメイドの衣装、それに本国からそのまま持ってきた舞台美術一式とあればそりゃかかるだろうと劇場に一歩足を踏み入れた瞬間頷いてしまいました。

私が観たのは平原サティーン×芳雄クリスチャンの組み合わせで、平原サティーンの醸し出す大人の魅力と低音ボイスが素晴らしいのはもちろんですが実際にはWキャストの甲斐さんよりもかなり年上の芳雄クリスチャンが危うい恋に溺れる若者を見事に演じ切っていて魅入ってしまいました。

豪華絢爛な演出と楽曲に心が躍り観ていても聞いていても楽しかったのですが、正直話の内容としては薄いような…?

今年の再演はさらにパワーアップ(値段が)しているようなのでちょっと考えないと。

 

↓はサダハルアオキとコラボしたスイーツ、なのですがいかんせん照明も真っ赤なのでよくわからなくなってしまっていますね……

甘酸っぱいベリーとチョコレートのケーキとマカロンでした。

8月

桜の園PARCO劇場

古典が肌に合わないのだと痛感しました。ロシア文学との調和性がないのか共感するような話ではないからかもしれないですが一幕で席を立とうかと検討するくらいには退屈でした。

ただ役者の方々は素敵で、堅山隼太さんがとても魅力的でした。まさか前述した呪いの子でロン役で出演されていた方と同一人物とは思えないくらい憎たらしかった。

千と千尋の神隠し御園座

萌音千尋を一目見たいと一般でもぎ取った二階席でした。御園座の二階席はめちゃくちゃ観やすい!

あの世界観がそのまま次々と盆の上で回って繰り出されていく様に一瞬にして夢中になり、萌音千尋は私の中で永遠の最高の千尋になりました。

小さな10歳の女の子が自分の意思で生きていく力を身に着けていく成長の物語ですが、その表現たるや。

ラストシーンでまんまと泣き、改めて好きだと再確認しました。

今年の再演は別の千尋にも逢ってみたいです。

9月

スリル・ミー(3ペア)@東京芸術劇場シアターウエス

これも現実にあった話ですね。

せっかく全ペア観たので比較を。

 

・松岡×山﨑ペア

終始私が圧倒的に彼より上に立っていて、冷めた目で見ていた。

私の掌の上で転がされる子供っぽい彼。このペアが一番19歳に見えました。(実際お若いお二人ですが)

山﨑彼がロボットのようで詳細な部分が見えないのは演技力が…ということではなく、34年前の彼の記憶がすでに松岡私の中で薄れてきてしまっている証左なんだと感じました。

記憶の中でしかもう思い出せない彼の姿は余計な部分がそぎ落とされてあった出来事と印象に残っている部分だけが明瞭に顕現しているのかな。

RoadSterで一番誘拐するのが上手いのは山﨑彼だったと思います。

 

・木村×前田ペア

全編通して彼の存在が一番鮮明だったのはこのペアだった気が。

34年前だろうとはっきり詳細に覚えている木村私。絶対に彼の表情、所作一つ覚えている。

粘りつくような狂気というか陰を纏わせていたのが松岡私なら、木村私は純粋さを歪ませて連れてきた私という感じ。

前田彼は山﨑彼よりも大人っぽいけれど感情の出し方が子どもっぽかった。

仮釈放が決まった時、「自由………自由」と呆然としたように2回呟くのが良かった。彼の姿(幻影?)を見た時の「待ってたよ…!」もほぼ無声音で。木村私には、私は彼を最後まで愛していたのかもしれないと思わせられました。

 

・尾上×廣瀬ペア

私も彼も怖かった!!!!

一番年上ながら言葉の端々が大人になり切れていない感じが出てた気がした。

全く私を愛していない廣瀬彼。準備の時も山﨑彼は遠足前?っていうくらいウキウキであまり不備を気にしていない感じ、前田彼はまだ咎める様子が見て取れたけれど、廣瀬彼は尾上私をバカにしていたように感じた。なーんにもお前には期待していませんというような…本当に愛はなかったのか。

そして廣瀬彼、こりゃ誘拐できないなっていうくらい殺る気満々。どんな子どもでも逃げていきそう。

あと、

「完璧だ」

と尾上私が言った時の顔!彼に背を向けた状態で、左頬を少し上げて自嘲気味に笑う顔がラストの99年と同じ顔をしていて場数、場数が違う私だ…と震えました。

愛していない、利用していたち思って馬鹿にしていた私から裏切られた時の急直下!

一番99年を聞いていてスカッとしたペアでした。

 

 

少なくとも私のスリルは放火や強盗、殺人ではなく、彼からの愛だけがスリルで、

でも彼のスリルは愛ではなかった。

10月

天號星@THEATER MILANO-Z

これ、転校生という映画とかけたタイトルなんですね。他の方の感想で拝見して合点しました。

入れ代わり劇ではあるのですが、一瞬でガラリと歩き方や小さな所作も変える主演のお二人は流石としか。

戯曲を購入したのですが、成志さんがむちゃくちゃやっていたらしいということを知って帰ってからも笑ってしまいました。そんなこと一つも戯曲には書いていないようなアドリブでもないセリフがいくつかあった。笑

脳内麻薬がブワッと放出されるほどの快感というのを早乙女兄弟の殺陣を見て久々に思い出し、これはちょっと怖い思いをしながら歌舞伎町に来てよかったと感じました。

一幕終わりは本当に痺れるほどかっこよかったです…!

早くDVDを買いたい!買わせてください!

今年の公演もすごく楽しみです。

 

11月

シェルブールの雨傘新橋演舞場

台詞は全て歌という初めて観る形式で面白かったです。(レチタティーヴォというそうです。)

私は映画やドラマを観るのが非常に苦手(一つの話を見るために画面をじっと見続けるのがしんどい)なので映画版はポスターしか知らず、以前ショー・マスト・ゴー・オンで拝見した井上小百合さんが出演されるということでいそいそ出かけてきました。

失礼な話ですが、台詞読むのが怪しくても歌が上手ければ成立する舞台なのだろうかと思っていたのですけれど全く違いましたね。

どれだけ感情や思いを乗せて歌にできるかが重要で、最低でもそれが出来る人たちでないとこのお話は成立しないのだと感じました。アンサンブルの方が含め皆さん芸達者な方々だったと思います。

しかし、控えめながらもギィを気遣い愛するマドレーヌのいじらしさと引き換えに別れた女との子供につけようとしていた名前を付けるギィはどうなんですかね!?それを言ったらジュヌヴィエーブもですけれど…

 

なんとなーく演出が未だ見たことのない宝塚っぽい(直感)と思っていましたが本当に宝塚の方でした。

ほー逐一素敵ですねぇと思いながら観ていましたが、途中夕食のシーンで急に背景に御馳走のイラストがふわふわ映ったのは…?あれはなに…?宝塚ではよくあること…?

 

平日マチネだったのですが男性の姿もちらほらあり、多分1階席に座ってらしたであろう男性が2階席を偵察にいらっしゃった際に「いや、でもやっぱり"きょも"の顔を見ようと思ったら1階のほうが…」とお連れの方と話していられたので広く人気がある方なんだなぁと思いました。

(宝塚の方には芸名以外にも愛称があると聞いたことがありますが、きょもというのは主演の京本大我さんのことですよね?)

 

一番感想が長い。観たのが最近なので記憶がしっかりしているな。

 

 

 

以上です!